2005年7月 5日 (火)

『夢からさめない』

r32h-1043

OVA『夢から、さめない。』に先立って発売されたのが、このアルバム。

アニメのタイトルは『夢から、さめない。』、このアルバムのタイトルは『夢からさめない』、さらに、一昨年発売されてDVDでは『夢から、さめない』とアナウンスされていたりします。そういった形式的なところにこだわらないところも白倉女史らしいところなのでしょう。

アニメの中で主人公川原砂緒の声を当てているのが、本アルバムの名義人佐野量子女史。
なおアニメ中の相方藤井貴生の声を当てているのは佐々木望氏。この後『幽☆遊☆白書』の主人公の声を当てるなどし、現在では佐々木氏のほうが有名でしょうか?。

1曲目、「夢からさめない」は、曲だけ聴いていると炭酸の抜けたサイダーのような感覚。アニメのエンディングで流れだすときにはとても良く聞こえるのですが。
2曲目「オープニングシーン」はその名のとおりオープニング・シーンに使われた曲。やはりアニメの映像を観たことがある人が聴いてこその曲でしょう。7曲目の「藤井君のおどろき」然り。

3曲目の「透明なスケッチ」、5曲目「八月のReason」、8曲目「恋が止まらない」は、歌詞がついているので普通に聴くことができます。が、映像が流れていたらなお良いと思われます。
動きが無い心の中にほんの少しゆれだす場所があり、その動く範囲が広くなっていく、そんな感覚の曲たちです。

4曲目「小雪のテーマ」はアニメ内の登場人物“天瀬小雪”のテーマという意味でしょうか。そして9曲目「片思いの人魚-小雪のテーマ-」はこの曲に白倉女史の詞をつけたものです。
天瀬小雪は、登場人物としての掘り下げが不足していた感がありアニメ内ではこの曲も目立ちませんでしたが、曲は洋上のゆったりしたうねりの中に身をまかせている感が歌詞とも調和してなかなかの出来です。
当時、NHKでお知らせ画面のB.G.M.として使われていたのを何度か聞いたことがあります。
また、この曲の歌詞一部変えた「片思いの人魚-珊瑚のテーマ-」が、白倉女史プロデュースのリーディングストーリーの中で後に世に出ています。それだけ白倉女史の中で思い入れがある曲だったのでしょう。

6曲目「不安な都市」と10曲目「告白する砂緒」は、アニメ中ではB.G.M.として使われているものですが、このアルバムではナレーション入りです。ナレーションの台詞は白倉女史が自ら書いているので、曲がそれぞれアニメの要約版的意味合いを持つこととなっております。

そして11曲目「50%Dream」。アニメ中では使われていない曲。気だるさと不安感にさいなまれた沈鬱系の歌唱を、強めのビートを前面に出したオケで中和しています。アルバムのコンセプト的には最も良くできていると思えます。

12曲目「夢からさめない(Inssturumental)」アニメのB.G.M.用に別アレンジで作られたテーマ曲です。

そして13曲目は「瞳にピアス」。アニメとは全く関係なく、おまけ的に収められた曲です。そのため、曲自体は良いのですが、アルバムの中では浮いているといった感は否めません。裏返していえば、それだけの存在感があるということであり、この曲以外の曲はコンセプトが統一された仕上がりになっていたということでしょう。

『夢からさめない』佐野量子
R32H-1043
1986年12月21日発売(LPレコードは12月15日発売)

| | コメント (0) | トラックバック (0)